※小牧山の山頂に立つ小牧市歴史館=小牧山城史跡情報館(れきしるこまき)提供
休日を利用して、小牧市役所(愛知県)の北側にある小牧山(標高85.9メートル)に行ってきました。
名古屋高速から、その山頂にある小牧山城の天守(のような建物)が見えてすごく絵になるので、かねてより一度は行ってみたいと思っていました。
小牧山城と言えば、織田信長が清洲城から本拠を移した山城として知られ、本能寺の変後に起こった小牧・長久手の戦いでは織田・徳川連合軍が拠点を置いた場所です。
さて、私の記憶では、城に天守が構えられるようになったのは、小牧山城築城よりも後の時代のはずです。
そのため、この立派な天守風建物についても当然、往時の姿を模した「復元天守」でないとは想像していました。
では、なぜ天守風建物を小牧山の山頂に建てたのか、常々疑問に思っていました。
実は、地元の実業家・平松茂氏が小牧山を訪れた際に、「山頂に城があれば」と思い、小牧市に建設寄贈を申し出たとのことです。
モデルとなったのは、京都の西本願寺 飛雲閣。
こうして、平松氏は私財を投じて鉄筋コンクリート4階建ての「小牧市歴史館」を完成させ、1968年に小牧市に寄贈したということです。
最近の発掘調査では、大規模な石垣や麓から頂に向かって直線的な大手道があるなど、安土城の設計思想が盛り込まれており、「城造りの起点・時代の転換点ではないか」とも言われています。
新しい時代を切り開いた、織田信長の「過去の概念を打ち破った」一端を見た思いでした。
また、平松氏がその想い・ロマンを具現化させたことも、すばらしいと思います。
私も、この荒波の時代を果敢に生き、思いを遂げられるように日々精進していかなければ、と気を引き締めた小牧山散策でした。
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