インドでの学びと視察

9月上旬、4年ぶりのインド出張に行ってきました。

お客様である、複数のカーメーカーの社長とお会いして、「当社グループはインド市場で引き続き貢献し、皆さまとともに歩みたい」とお伝えしました。

また、EV化対応の進捗などについても、意見交換をしました。

お客様の工場改善事例からの学び

あるお客様とのお話の中で印象に残ったのは、“不良工場”(ご本人談)となっていたインド拠点を、コロナ禍という厳しい環境の中で復活させたという内容です。

塵一つ無いくらいに工場を徹底的に美化し、生産ライン横に見学者用のプレゼンエリアを設置。

製造工程を見学者に見えるようにすることで、作業者にとっては、ちゃんと見てもらえているといううれしさを感じつつ、緊張感・責任感を持てる工夫をされたのです。

以前は、同工場の従業員の方は来客者と目を合わせないようにしていたようですが、今回は目を輝かせてあいさつをしてくれました。

また、社食にも工夫がされており、外部の方を招待できるように改装したうえ、専門のコックを誘致したことで味も向上したそうです。

食事の価格は他社の社食よりも高価になりましたが、従業員でも予約をしないと入れないくらい人気で、毎日満席になるようです。

これも会社へのロイヤルティが高まることにつながり、意識改革にもつながったそうです。

ある程度コストはかかったそうですが、結果的には予想以上の改善効果が出ているということでした。

コロナ禍やCASE進展など、変化の時にこそ果敢に攻めて改善につなげる点やその決断力など、経営者として見習うべき内容が多くありました。

当社のインド拠点

当社はインドに3社(TIR、TIH、TRIN)の拠点があります。

その中の1社で、社長交代の株主総会が開催され、参加してきました。

この会社の社長は、会社設立後、10年近くの長期にわたりインドでがんばってくれました。

赤字で苦しい期間が続きましたが、直近では黒字転換させてくれました。

総会では、社長の最後のあいさつをローカル社員が真剣なまなざしで聞いていました。

総会後、彼の自宅で送別会が開かれ、現地パートナーとともに私も参加しました。

現地パートナーから非常に信頼されており、「異動は致し方ないが、今度はいつインドに帰ってくる予定なのか」と、私が質問される場面もありました。

当社グループは、グローバルで20ヶ国以上に80を超えるグループ会社があります。

私は、残念ながら一度も海外駐在をした経験がないため、駐在員の方々の気持ちを本当の意味で汲むことができていないかもしれません。

出張で直接顔を見て、労うことしかできないのがもどかしいと感じています。

現地拠点長、そして駐在員の皆さんが、その国の実情や文化を学ぶことで現地に溶け込むことは大変なことです。

その並々ならぬ努力を継続することで、現地の人の信頼を得ることができているのだと思います。

これに加えて、慣れない海外での生活、通常業務への注力も必要だったことでしょう。

皆さんの力でこれだけ多くの国々に展開ができていること、そして今後大きく飛躍できる礎が築かれていっているということを、改めて実感しました。

住友理工 社長ブログ

本ブログの内容は、社長 清水和志がさまざまな機会に話した内容や、文章として発信したものを、事務局である住友理工株式会社 広報IR部がとりまとめた上で、ブログに掲載しております。内容の概要は社長に了解を得て掲載しておりますが、掲載責任は広報IR部にありますことをご了承ください。