「産総研を使い倒せ」~共創で磨く技術力と、データセンターが拓く未来

先日、茨城県つくば市にある国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)を訪問し、毎年恒例となっている「住友理工-産総研 先進高分子デバイス連携研究室(以下、連携室)」の成果報告会に出席しました。

2020年、産総研のテストコースを活用させていただいたことをきっかけに、同研究所との連携が始まり、今年で6年目を迎えました。
本報告会では、共同研究の成果や最新の技術動向、今後の連携の可能性について活発な意見交換が行われました。
産総研の高度で幅広い知見が、当社の研究開発に着実に生かされていることを実感するとともに、この関係性が新たな段階へ進化していることを強く感じました。

共創パートナーへの進化 

特に印象的だったのは、「産総研を使い倒せ」という力強いメッセージを共有したことでした。
一見するとやや強めで勢いのある言葉ですが、単なる徹底活用を意味するものではありません。
課題を共有し、ともに解決策を創り上げる並走パートナーへと、関係性が進化していることを表しています。
連携室のさまざまな活動も順調に進んでいます。
その一環として、産総研の各専門分野の方に講師を務めていただき、当社従業員向けの講演会を定期的に開催しています。
毎回多くの当社研究員が参加し、講師との熱量の高い質疑応答が繰り広げられる学びの場となっています。
異なる視点や技術に触れることで、自社だけでは到達できない発想や技術的ブレークスルーが生まれる可能性が広がります。
「産総研を使い倒せ」を合言葉に、今後もさらに連携を深め、当社グループの技術を社会実装へとつなげていくことを期待します。


データセンター見学で見た未来社会を支える技術 

報告会にあわせて、東京大学柏キャンパス内にある産総研柏センターの実験室と、ABCIデータセンター*1を見学しました。
産総研柏センターの実験室では、現実世界とサイバー空間を融合し、価値を現実世界へと還元する「インターバース」*2の実現に向けた研究について説明していただきました。
以前、民間のデータセンターを見学したことがありましたが、産総研のデータセンターはコストに対する考え方などのコンセプトが異なり、勉強になりました。
ABCIデータセンターでは、温水冷却と空冷の併用により、冷却に要する電力を大幅に削減するとともに、災害時には速やかに安全に停止するよう設計されており、コスト低減にも配慮がなされています。
これに対し、以前見学した民間のデータセンターは、災害時や停電時などでも継続して稼働できるように、BCP対策に重点を置いた設計となっていました。
異常時こそデータセンターが必要となるため、停止させないという考え方です。
AIやクラウドサービスの普及にともない、データセンターは今後ますます社会基盤としての存在感を高めていきます。
一方で、電力消費や熱マネジメントなど、多くの技術課題も顕在化しています。
熱マネジメントの課題は、当社グループが自動車や建機向けのホースで培ってきた「流体制御技術」を生かすことができる領域です。
未来社会に欠かせない最新のデータセンターを目の当たりにし、当社グループの技術でどのように貢献していくか、その可能性を具体的にイメージできる機会となりました。 


これから―シナジーを生み、社会実装へ 

今後も、未来社会の課題解決に向けて、産総研との連携をさらに発展させていきます。
産総研との共創によって得られる知見と、グループ各社の技術力を掛け合わせることで、これまでにない価値創造の可能性が広がると考えています。
特に住友電気工業とのシナジー創出においても、研究成果を社会実装へつなげる取り組みが、今後さらに拡大していくものと見込んでいます。
研究員や開発に携わる皆さんには、ぜひ産総研との連携の機会を積極的に活用し、挑戦する仲間を増やしてほしいと思います。
産総研をはじめとする社外パートナーとの共創や連携は、皆さん一人ひとりの専門性をさらに深めるものになると確信しています。
ぜひ、次なる挑戦へと果敢に踏み出していくことを期待しています。


産総研ブランディング・広報部報道室および産総研柏センターよりご提供 

*1 ABCIデータセンター https://abci.ai/ja/ 
*2 インターバース https://unit.aist.go.jp/rihsa/group/IVRG/ivrg-index.html  

住友理工 社長ブログ

本ブログの内容は、社長 清水和志がさまざまな機会に話した内容や、文章として発信したものを、事務局である住友理工株式会社 広報IR部がとりまとめた上で、ブログに掲載しております。内容の概要は社長に了解を得て掲載しておりますが、掲載責任は広報IR部にありますことをご了承ください。