5月下旬、当社グループの2021年度決算説明会を実施しました。
決算説明会とは、決算数値やその背景を当社側から説明し、それに対する機関投資家や証券会社のアナリストなどからの質問に回答する場です。
今回は、コロナも少し収まっていたことから、少人数での東京会場開催に電話会議システムを加えたハイブリッドでの実施となりました。
顔を合わせての説明ができたため、ステークホルダーの皆さんのリアルな反応が見られたことが良かったです。
東京会場では6名、電話会議では27名の方にご参加いただきました。
Q&A
いただいた質問には、下記のように回答しました(一部抜粋)。
Q: 21年度の原材料高騰の影響について、22年度にすべて回収できないのですか。
A: お客様(カーメーカー)ごとに若干ルールが異なりますが、22年度も原材料価格が右肩上がりで高騰していると、価格転嫁のルール上、決算期をまたぐため、期中内での回収は難しくなります。
逆に、原材料価格が下がる局面では、利益が出ることになります。
一方、輸送費については、これまでルールがありませんでした。
自社内でも、早期のコンテナ費用交渉に取り組んでいますが、お客様とも交渉を続けていきます。
Q:カーメーカー各社、電動化が加速しているが、住友理工の拡販機会としてはどうか。
また、安価でもシェアを取りに行くのか、利益面を重視して取り組むのか。
A:これまでにもお話していますが、完全な電気自動車(BEV)になることは、当社グループにとってマイナスではなく、チャンスであるという考えは変わっていません。
新しいモビリティに挑戦する際にも、これまでの歴史で培ってきた信頼関係から、当社にお声がけをいただいています。
そういう点でも、当社は国内すべてのカーメーカーや主要海外メーカーとも取引がありますので、チャンスであると考えています。
また、シェアを取るか、収益性を取るかというご質問への回答は、収益性を取ると明言します。
各拠点でのお話
この決算説明会でお話した資料や内容を、松井会長と手分けして5月下旬から全国の拠点を回って、基幹職の方には説明しています。
また、今後海外出張した際には、現地の幹部の方にも話す予定にしています。
その中で、投資家の皆さんが注目していた「住友理工は、実力としてどれくらいの利益を出せる体質なのか」「電動化が進む中、住友理工はついていけているのか」という点について以下のようにお話ししています。
・21年度は、鋼材を中心とした原材料価格高騰分の、売価反映の時期ズレが大きな要因となり、実力といえる利益が出る予想ではありませんでした。
・しかし、年度末における顧客の計画外の大減産があった中でも、間接費削減や原価低減といった皆さんの努力などで、11月に予想した公表値に対し、売上未達ながら事業利益は達成できました。
・ただし、北米の拠点で減損損失を計上したことも影響し、営業利益以下は厳しい数値となり、経営者としての責任を痛感しています。
今年度も引き続き、コロナの収束は見通せず、原材料価格や輸送費も高止まりすると予想されています。
足元では、コロナの再拡大による中国でのロックダウンなどの影響で、再びカーメーカーの減産も発表されています。
一方で、下期には挽回生産が見込まれ、繁忙になると予想されます。
それに備え、この2年間で培われた変化対応力を生かしていきましょう。
今後も、安全や健康には十分留意していただいて、変化に柔軟に対応してもらえることを期待しています。
「変化」というのは、正直しんどい一面もあります。
しかし、常に変わっていかなければ、衰退していく一方です。
変化を楽しみながら、住友理工グループ全体で成長していきましょう。
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