10年前、26年前

この3月で、東日本大震災の発生から10年が経ちます。

また、先月も同地域で余震とみられる震度6強の地震が発生しました。

改めて、犠牲になった皆様へお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。


阪神淡路大震災

私自身は、26年前の阪神淡路大震災時に震源近くの兵庫県に住んでいて、震度7を経験しました。

私の家は、室内が無茶苦茶になる程度でしたが、近隣の大家さんのご自宅は倒壊してしまいました。

私のアパートは新築で地震対策がされていたのですが、大家さんのご自宅は、非常に立派な旧家だったにもかかわらず、地震への備えは無かったようです。

また、阪神淡路大震災で、阪神高速が横倒しになった現場に立って、私は何か映画の世界に入り込んだのかなと思ったくらいの衝撃を受けました。

そして、近くの精道小学校(芦屋市)に行ったとき、悲惨な状況を目の当たりにしたことが今でも心に残っています。

この時、あらかじめ可能な限り備えをしておくことは大事だと、強く感じました。

2018年に住友理工に来て、当社に高分子材料技術を生かし、地震の揺れのエネルギーを熱エネルギーに瞬時に変換する制震システム・TRCダンパーという製品があることを知りました。

揺れのエネルギーに「耐える」のではなく「熱に変える」という点が、当社の技術力です。

ですから、繰り返しの地震に対しても、高い効果を発揮します。


※木造住宅用制震システム TRCダンパー(上)、ビル用制震システム


また、阪神高速の倒壊という体験をした日本は、地震の揺れから橋梁を守る技術として「ゴム支承」を見出しました。

このゴム支承にも当社の技術は使われています。

26年前の「悲惨な体験を克服できる製品」を生み出している住友理工に来て、私は誇らしく、また何かの縁だと感じています。

※橋梁用ゴム支承

東日本大震災の被災地域への継続支援

当社グループでは、グループ従業員および会社からの寄付金を用いて、2013年から被災地域での支援活動を継続して行っています。

具体的には、地元の飲食店が作った宅配弁当を復興支援に取り組む団体に届ける活動です。

これは、被災した地元産業の支援という点が1つ。

そして、復興を目指して活動する団体が企画するイベントや集会などに参加した人たちが、みんなでお弁当を食べることで、食を通してコミュニケーションを深めてもらいたいという思いで、実施しています。

SDGs(持続可能な開発目標)の1つに「住み続けられる街づくりを」があります。

これは、「都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする」ことを意味しています。

まさに、当社の化工品事業部の製品は、このゴールに対して大きく貢献するものと認識しています。

住友理工 社長ブログ

本ブログの内容は、社長 清水和志がさまざまな機会に話した内容や、文章として発信したものを、事務局である住友理工株式会社 広報IR部がとりまとめた上で、ブログに掲載しております。内容の概要は社長に了解を得て掲載しておりますが、掲載責任は広報IR部にありますことをご了承ください。