自動車用ホース「松阪事業所」

今回は、三重県松阪市にある松阪事業所を訪問しました。

松阪事業所は、自動車(モビリティ)分野のホース製品を製造してくれています。

自動車用ホースというと、一般の方はあまりなじみがないと思いますが、給油するときの給油口からタンクまで、タンクからエンジンまでをつないでいるのは、燃料系ホースです。

また、エアコンホースは、空気を循環させる役割を果たし、快適な移動に貢献しています。

他にも、オイルを流すホースや水系のホースなど、用途に見合った何種類ものホースを製造しています。

自動車1台当たり、6種類30~40本使用されており、当社グループはこの分野で、国内トップシェアはもちろん、世界でもトップシェアグループの一角を担っています。

松阪事業所の成り立ち

松阪事業所は、1943年に笹川紡織株式会社を吸収合併して生まれました。

当時は、コンベヤーベルト用布や布巻ホース用布、糸ゴムなどを製造していましたが、時代の流れと生産合理化などの観点から、現在では自動車用ホース、とりわけゴムホースのマザー工場となっています。


視察を通じて

視察をして感じたことは、現場の改善が具体的なレベルで非常に進んでいるということです。

そのうえで、以下2点をお伝えしました。

① 小牧製作所の自動車用ホース製造部と良い意味で切磋琢磨できていると思う。

良いライバルがいることは、お互いの成長につながると思うので、ぜひこれからも情報交換しながら、がんばってほしい。

② 自動車用ホースにおける世界のマザー工場として、松阪の改善事例がグローバルに生かせるように、常に念頭において行動してほしい。


今後の期待

現在、CASEの流れから、電動化するとガソリンを流す燃料系ホースは無くなってしまうのでは?という心配をする従業員の方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、電動化の動きは加速しています。

とはいえ、インフラ整備には時間を要するでしょうし、グローバルで見ると、新興国では、まだまだ内燃機関車が活躍すると見ています。

そのため、近年は「環境規制対応ホース」が好調です。

特に、中国の環境規制「国6」に対応したホースなどはニーズにマッチし、好評を得ています。

一方、電動化時には、熱マネジメントも大切。

すでに新製品として、電動部品の冷却用ホースを開発・製造しています。

また、電動化すると全てを電気で動かすため、電気の効率「電費」が重要になります。

より効率の良い空調を支える「エアコンホース」などが求められるため、高付加価値の製品を開発することによって、当社グループの存在意義が高まると考えています。

従業員の皆さんには、日々の生産はもちろん、市場や技術の動向にも目を向けてもらえたらと思います。

住友理工 社長ブログ

本ブログの内容は、社長 清水和志がさまざまな機会に話した内容や、文章として発信したものを、事務局である住友理工株式会社 広報IR部がとりまとめた上で、ブログに掲載しております。内容の概要は社長に了解を得て掲載しておりますが、掲載責任は広報IR部にありますことをご了承ください。