源から大河へ~SRK-ERのモノづくりの姿勢

先日、タイのグループ会社SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.(以下、SRK-ER)の創業30周年式典に参加しました。
SRK-ERは、1988年の米国拠点に続き1995年に設立された、当社グループで2番目に歴史ある海外生産拠点として、自動車用防振ゴムの製造・販売を担ってきました。

困難を越え続けた 30 年

創業以来、SRK-ERは1997年のアジア通貨危機、2011年の大洪水、近年のコロナ禍や半導体不足など数々の試練を経験してきました。
その都度、現地スタッフと駐在員が力を合わせ、課題を共創しながら乗り越えてきた歴史があります。
特に2011年の大洪水では、お客様の生産ラインを守るため、従業員の皆さんが昼夜を問わず尽力されたことを聞いており、心から敬意を表します。
SRK-ERが30年にわたり発展を続けてこられた背景には、次の「3つの柱」があると感じています。

-共創に基づく問題解決力
-品質向上を追求し続ける組織文化
-それを支えてきた従業員の不断の努力

主要顧客から安全・環境・品質の各分野で、継続的に表彰されているのは、まさにこの3つの柱が実を結んだ証だと思います。

「源から大河へ」-象徴としての泉

式典では、SRK-ERの歴史を題材にした「創造の30年:源から大河へ」という舞踊パフォーマンスが披露されました。

これは、従業員の皆さんが勤務の合間を縫って、この日のために練習を積み、発表された舞踊です。
従業員一人ひとりの笑顔、そして他拠点や株主の皆さまから寄せられた温かい声に、SRK-ERの強い一体感とエンゲージメントを感じました。
創業の原点を「源流=泉」に例え、30周年の記念として工場には新たに「泉」が設置されました。
現場の改善活動で培ってきた発想を生かし、からくり装置による除幕式も行いました。
SRK-ERでは、日ごろからKAIZEN活動を通じて、品質保持の工夫を互いに出し合い、現状に満足せず改善し続けています。
現地スタッフと駐在員の信頼関係こそが、同社の競争力を支える真の源泉です。
この泉には、SRK-ERがアジアのモノづくり企業として、未来社会の課題を解決する「大河」へと成長していってほしいという願いが込められています。
そしてこの3つの柱は、2029年 住友理工グループVision(2029V)の達成、さらにはその先の未来へ向けた成長につながると確信しています。

住友井桁に宿る「信用」の精神

泉を象徴するもう一つのモチーフが「住友井桁」です。
400年にわたり先人が築いてきた「信用」の精神が受け継がれており、当社グループが大切にしてきた根幹でもあります。
世界20か国以上に広がるグローバル拠点が、住友事業精神「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」を基盤に、One teamとして、同じ方向へ進んでいくことが欠かせません。
そのためにも、2029Vやありたい姿に基づき、方向性や認識を共有し、従業員一人ひとりの主体的な行動を尊重していくことが重要です。
守るべきルールや方向性はしっかり守りながら、未来の大河へ向けて挑戦を続け、日々信用を積み重ねていくこと。
それこそが、モノづくり企業としての価値を高め続ける道だと考えています。
最後に、これまでの30年を支えてこられたSRK-ER従業員の皆さま、そして関係者の皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。

住友理工 社長ブログ

本ブログの内容は、社長 清水和志がさまざまな機会に話した内容や、文章として発信したものを、事務局である住友理工株式会社 広報IR部がとりまとめた上で、ブログに掲載しております。内容の概要は社長に了解を得て掲載しておりますが、掲載責任は広報IR部にありますことをご了承ください。